抽象的な、女の子の日記 2
せんせい、あのね。
今日は、ありさんの行列を見つけました。
ありさんたちは、ゾロゾロと列を乱すこともなく、まるで兵隊さんの行進のように歩いていました。
あまりの迫力に、踏まないようにするのがやっとでした。
よそ見をすることもなく、一定の感覚で、ひたすらに一直線のかたまりみたいでした。
わたしは圧倒してしまいました。
別の大きな生き物になってしまったような、ありさん。
ずっと眺めていたら、邪魔だと言わんばかりに噛みつかれそうで、そっとその場を離れました。
先生、心の底から嬉しかったです。
転勤先から、まさか先生がお手紙を送ってくれるとは思ってもなかったです。「元気ですか?」の冒頭で、わたしは泣いてしまいました。
泣きすぎて、最後までお手紙が読めずに、目を少し腫らしながら、学校へ行きました。
きっと他の教職員が、わたしが元気のないそぶりを気にかけて、先生に連絡されたのかもしれません。
先生のお手紙、改めて読みました。
わたしはわたしのままでいい。認めてくれているひとは必ずいる。初心を忘れずにやってみよう!
そんな気持ちになりました。
そしたら、目には見えないパワーが、みるみるとわいてきました。先生は、本当にすごい人です。
学校は、たまに難しい問題もあるけれど、勉強をしているときは楽しいですし、時間を忘れてしまいます。
それ位に没頭できる場所で過ごせていること、恵まれていると言うんですよね。
苦手な子には、相変わらず注意をされるけど、注意というよりも、わたしのことをよく思ってないからこそ小言をチクチクと針を刺すかのように言いたくなるんだなって思えるようになってきました。
学校には、色んな年齢・色んな考えを持った人が集まっているのだから、必然なのかもしれません。
全員から好かれていたいだなんて、そんな幻想を夢みていたら、自分なんてあっという間に無くなってしまうと思います。
目まぐるしい日々の真ん中だけど、自分の持っているよさを見失わずに信じて、表現し発揮すること。
それが個性なのかもしれないです。
だけど、どうしてでしょうか?
【今はこんなに良く言ってくれてるけれど、いつかは見放されてしまうんじゃないか…】
【先生が言っているのは、前のわたしで、今のこのわたしをみたら、また違った気持ちを抱くのではないか……】
【わたしなんて、先生が思っているほど、たいした人間じゃない………】
ほめてくれるひとを信じたい自分と、ほめてくれるひとを疑う自分、両方がいるのです。
ほめてくれるひとを信じ続けていたい。
流れ星に、お願いしてみようかな。