抽象的な、女の子の日記 3
せんせい、あのね。
今日、間違えて…足元近くにいた「ありさん」を踏んでしまいました。
ありさんは、少し小さくなったまま、動かなくなってしまいました。それを、じっと眺めていました。
痛かったよね、ごめんなさい。
言い訳になってしまうのは分かっていますが、気づかなかったんです。どうか許してください。
動かしても、撫でても、謝っても、泣いても、願っても、
何をしたって、ありさんの命が戻ることはもうありませんでした。
なんて儚いものなのでしょうか。
ありさんにとって、どんな一生だったのでしょうか。
たいてい家電製品には保証書がついてくるけれど、わたしたちには明日の保証すら誰もしてくれません。
あまりにも楽しいことを後回しにしすぎていると、それを楽しむ前に消えてしまうことだってあるのです。
それは、悲しすぎませんか。
数々の偶然が重なりあって、今に生かされている。
生きてること、それだけで奇跡だと思えたら、どこからか新しい力がわいてくるようでした。
過去でもなく、未来でもなく、今を生きること。もし、苦しいのなら…目の前にある、今を変えていくのです。
まだまだ、やれること、やってみたいことだってあります。
周りの人や、ペットもです。
ずっと元気だと信じていたいけれど、それは願いにすぎません。
もう少しだけ毎日を大切に生きてみよう、小さくなったままのありさんを見ながら、想うのでした。
先生、ご無沙汰しております。
風の便りで、先生は転勤先でも、朝早くからせっせと働かれていると聞きました。情熱を持って取り組まれているお姿、とても先生らしいです。
たまに先生にお手紙を書きたくなりますが、何もないのに書いてしまったら、先生を困らせてしまうんじゃないかと思って、書けずにいます。
書くに必要な時、それはきっと学校の行事のお知らせか・学校を辞めたくなった時くらいだと思います。
先生には先生の生活がある。
それは分かってるつもりですし、壊すつもりもないです。
先生が元気に過ごせているなら、それで充分なのです。
遠すぎず、近すぎることもない。
これくらいの距離感だからこそ、心地良いのかもしれないと感じるようになりました。これは素敵な気づきです。例えるなら…穏やかな、そよ風になった気分です。
ちなみに学校の掲示板に、自己紹介がてら…わたしの作文が貼られるようです。もう転入してから結構な日にちが経っているのに、いまだに新入生扱い。
初心を忘れずに、挑みたいところです!!