「世にも奇妙な物語」を語る
毎回、見逃さずにみている番組がある。それは、「世にも奇妙な物語」だ。
音楽とタモリさんの姿が、不気味な世界をより深めている。
今回は怖さ・不思議さというよりかは、ちょっと考えさせられる作品があった。それは、
【三途の川アウトレットパーク】
序盤だけ書くなら、
始まりは、虫がぶ~んととある家を飛び回っている。カップルなのだろうか?野球観戦をしていた男性が、その虫を退治しようと追いかけ出す。女性がそれに気がつく。
ー どこにでもありそうな、ありきたりな光景 ー。
三途の川と言えば、この世とあの世の境界線といえるような場所であるように想像されるだろう。
そこで起きる人間模様の話だ。
前世で、ひったくりをして(実は、病人の女性の治療費がほしくてなのだが)そのまま逃走中に、階段から転げ落ちて亡くなったのが主人公である。
うっすらとモヤのかかる中で、三途の川沿いで目を覚ます主人公。
(たしか)ポケットには、手持ち金があり、三途の川アウトレットパークで、来世(人間)で使えるものを買うことができるようになっていた。
ただ、主人公は手持ち金がほぼない。なぜか…それは、手持ち金は前世の行いによって変わるからだった。
三途の川沿いでは、抽選器が始まっていた。この抽選器で来世が決まるのである。
来世で「虫」を引き当てた人が、前世で良いことをして手持ち金だって沢山あるのに!!!と嘆き・騒ぎ狂う中で、
主人公は、見事に来世で「人間」を引き当てる。
だが、主公は表情ひとつ変えることもなく…希望を失っているような…浮かない顔のままであった…。
ここからどんどんと物語が展開していくのだが、とにかく気持ち良いくらい完成している。
みる前と見た後での、見方と心の変化を感じられた。
その変化は今ですら、まだじんわりと残っているのだから驚きとしか言いようがない。
それは、命ある生き物に対してであったり、そして、生まれもった自分に対してまでである。
この作品で感じたこと。
それは、
①人間だけじゃなく様々な命に支えられながら、実はいかされていただけなのかもしれないという気づき。
②虫のように簡単に命を狙われ・奪われてしまう世界とは、ほど遠い場所にいるという安全さや豊かさ。
③そして、生まれもったものには(コンプレックスも含めて)意味があり、その良さを知っている人はどこかに必ずいるという希望。
人それぞれ想うことは違うとおもいますので、観れる環境の方は、ぜひともお試しあれ。
心が動く作品に出逢い続けたい。
映画や本や漫画やライブも。娯楽といわれることもあるけれど、決して不要不急なんかじゃないんだよね。