キイロなる低血圧

《30代の処女、ここにいますけど何か?》

バナナの犯人は、私です。

今週のお題「告白します」




ねぇ?もう時効だからいいよね(笑)





あれは十数年も前の話なのだが忘れもしない。





《おいっ!ここに捨てた奴は誰なんだよっ?!集まれよっっ?!》




ここは宿屋。夏の合宿現場だ。就寝前に急きょ、ゴミ箱の前で集合がかけれた。



練習で身も心もボロボロの雑巾気分。眠いまぶたを擦りながら、何事かと立ち尽くしていた。



現場では顧問が苛立ちを募らせる。鬼のような形相で、じっくりと睨みをきかせながら。(いつも、この静けさが嫌いだった)


もし、この日が節分ならば「このいかつい鬼に、豆でも投げつけてやろうじゃないか…」という企みの余裕はない。

ただ粘りつくような冷たい汗が背中に流れていた。







当時は高校生で、部活の日々に明け暮れていた。髪はショートヘアー・制服のスカートは膝丈・ノーメイク・靴下は白…。


これがJK(高校生)か?と言うくらい、華やかなJK要素とは真逆な生活を過ごしていた。

肌が日焼けをしすぎて、姉から「こんがりしていて、美味しそう」とかからかわれていたことも思い出した。(姉の表現もどうかと思うがw)



とにかく、この目の前にいる鬼は怒っている。ゴミ箱に捨ててあったものが、よっぽど許せなかったんだろう。


はやく話を終わらせてもらって、とっとと眠りたい。



だいたい…いったいなんなんだろう、捨ててあったものって。。

エロ本とか?高校男子なら一つや二つ…

緊張感と1日の疲れとか入り雑じる。ぼんやり考えていた時、顧問はおもむろにバナナを持ってきた。




意識が遠のきそうだった。



わたしの捨てたバナナじゃん(泣)


昔からバナナが嫌いだった。親から身体に良いから食べてみたら?と言われても全力で拒否をしていた。食わず嫌いじゃなく、味見もした上で嫌いなのだ。キイロな低血圧とか言ってるくせに、バナナのキイロだけはゾッとする。


何故か必ず夜食に出るバナナ。食べたくないし、食べたふりしてバッグにつめ込んでいた。ただ、バナナは日をおうごとに黒ずみ臭いとともに存在を増すばかりだった。このままじゃ、バッグがバナナまみれになってしまう!!!!!!!!!!!!!!



という訳で、バナナには申し訳ないのだが、ゴミ箱へさよならした訳だ。




これはバナナの逆襲だ。




顧問が《食べてもないバナナを捨てやがって。ふざけた野郎はどこのどいつだっ?!!》


といった流れで、全力で圧力をかけ出していた。


いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいや…


今さら、バナナの犯人はわたしです\(^-^)/(ばんざーい)

的な感じ、無理だろ、おい…これ。




《犯人でなかったら、お前ら全員、連帯責任だからな!!分かってんのかよぉお?》


出たよ、鬼の好きな言葉。連帯責任。

顧問は、何かとこの連帯責任を強要するのが好きで、誰か練習に遅れをとったりするならば、周りの部員たちも練習が追加されるっていう


部員たちの不仲のきっかけ作りをする、プロだった。



わたしは覚悟を決めた。


正直に言って顧問や部員に反感をかうのと、知らんぷりするのを天秤にかけたら


知らんぷりのがここで生きるためだと悟ったのだ。


今さらだけど、あの時、バナナを捨てたのはわたしです。実は、ずっと心のどこかに引っ掛かる部分もあったりで、この場をかりてスッキリしたくなりました。www


ごめんなさい。



でも、わたしにも言わせてください。





みんながみんなバナナ好きだと思ったら、大間違いなんだよ( ・∇・)